今までに無い店舗設計
このプロジェクトは、建築雑誌「SD」(K島出版会1999年10月号)に「GS再生計画」を発表したことをきっかけに始まった。
日本の近代化はS・A・Bとともに、今や全国くまなく必要な施設がそろい、むしろ既存の建築をいかにうまく使い続けるかが重要な課題となっている。
SSCもそうした問題意識を共有する。
彼らよりも先に、K・D・Aは、古いガソリンスタンドを皮膜のように包む増改築により、I・Wとして再生させた。
もっとも、これは一過性の強い特殊な事例だ。
SSCのガソリンスタンドへのとり組みは、小さな蝉空間のネットワークをめざしており、各地で実現可能なシステムである。
通常、廃止された給油所は中古車センターなどに転用されるが、SSCは地域に密着した街づくりの施設、少子高齢化の福祉施設、災害に備えた貯蔵庫、SOHO、物流サービスのデポ拠点などへの改造を提案した。
地下のタンクを撤去するだけでも、大きな地下空間が簡単につくれる。
SSS(スーパーサービス・ステーション)のプロジェクトは、給油、物流デポ、バス停、ゴミ収集所など、総合的なインフラをもち、道路だけではなく、背後の地域住民にも貢献する。
単一の機能とせず、様々な機能の複合化によって空間を効率的に活用するのだ。
石油業界と物流業界をつなぎ、大きな弊害である縦割り社会を横断する視点と実践的な提案は、両方の業界から注目された。
また彼らは同じように、拡幅道路予定地や首都高速道路の使われない空間に注目している。
拡幅のために建物を撤去した後、白いパイプで囲まれた空地。
あるいは、高架下のデッドな空間。
こうした都市の隙間に必要な機能を充填するために、公共交通の乗降スポットや物流のポケット・ローディングに使うことを提案した。
すなわち、ハードよりもソフトに注目している。
これまで建築家は給油所とほとんど関係がなかった。
SSCは、新しいハコを建設するよりも、転用を行い、ロードサイド建築の秘められた魅力を引きだす。
こうした試みは、バブル崩壊後に仕事が減少した建築家という職能のリサイクルにもなるといえよH亜由美は建築家ではない。
A・Aだという。
構築物の設計ではなく、都市の景観をデザインするからだ。
1990年代初めに彼女は東京・仙川の小さな橋のプロジェクトに参加した後、日本道路公団と関わり、高速道路の景観デザインを幾つか手がけている。
いかに交通の空間をデザインするのか。
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